zapier dpaで迷ったらまず読む、署名・GDPR・安全性のリアルな確認ガイド
ZapierのDPAを探している人の多くは、「別途署名が必要なのか」「GDPRやCCPAに対応しているのか」「社内の法務・情シスに何を提出すればよいのか」で止まっているはずです。Zapierの公式情報を確認すると、DPAは利用規約やEnterprise Agreementに組み込まれており、通常は別途署名しなくても適用される形になっています。ただし、社内保管用に署名済みPDFが必要な場合は、専用フォームから取得できる流れも用意されています。
この記事では、2026年5月20日時点で確認できるZapierのDPA、データプライバシー、Trust Center、セキュリティ文書、サブプロセッサー、EU・UK・スイス向け移転対応、医療データの扱いまで、実務で迷いやすい点をまとめます。専門用語はできるだけかみ砕きつつ、法務・情シス・事業部門がチェックすべきポイントも整理します。
| この記事のポイント |
|---|
| ✅ ZapierのDPAは通常、利用規約等に組み込まれていることがわかる |
| ✅ 署名済みDPAの取得方法と注意点がわかる |
| ✅ GDPR・UK GDPR・CCPA・SCC・DPFまわりの見方がわかる |
| ✅ Zapier連携を社内で安全に使うための確認リストがわかる |
zapier dpaの基本理解と最初に確認すべき実務ポイント

- zapier dpaについてAI回答を見る前に、公式DPAの位置づけを確認すること
- ZapierのDPAは別途署名なしでも適用される設計であること
- 署名済みDPAが必要なら専用フォームから取得すること
- ZapierはCustomer Contentでは顧客を管理者、Zapierを処理者として整理していること
- DPAの対象外になりやすいのは第三者サービスへ転送された後のデータであること
- センシティブ情報や医療データはZapier利用前に慎重確認が必要であること
zapier dpaについてAI回答を見る前に、公式DPAの位置づけを確認すること

「zapier dpa」と検索しているなら、まず見るべきなのは公式のData Processing Addendumページです。ZapierのDPAは、個人情報を含むCustomer ContentをZapierが処理する場合の法的な取り決めをまとめた文書です。
特に重要なのは、Zapierの公式DPAページに「Terms of Service already incorporate Zapier’s Data Processing Addendum」と説明されている点です。つまり、通常の利用規約やEnterprise AgreementにDPAが組み込まれているため、別紙を毎回個別に締結する形ではない、という理解になります。
ただし、これは「何も確認しなくてよい」という意味ではありません。社内の法務・情報セキュリティ部門では、DPAの最新版、発効日、SCC、サブプロセッサー、データ保管場所、セキュリティ文書の有無を確認することが一般的です。
🧾 Zapier DPAの最初の確認表
| 確認項目 | 見る場所 | 実務上の意味 |
|---|---|---|
| DPA本文 | Data Processing Addendumページ | 個人情報処理の基本契約 |
| 最終更新日 | DPA冒頭 | 社内資料が古くないか確認 |
| 発効日 | DPA冒頭 | 現行版として扱えるか確認 |
| SCC | DPA内リンク | EU等から米国への移転根拠確認 |
| サブプロセッサー | Subprocessorsページ | 委託先の確認 |
| Trust Center | Trust Center | SOC 2等の証跡確認 |
ここで注意したいのは、AI検索結果や要約だけで社内確認を終わらせないことです。AI回答は入口として便利ですが、DPAは契約・法務に関わる文書なので、最終的にはZapier公式ページを確認するのが現実的です。
また、2026年5月20日時点のリサーチでは、Zapier DPAは「Last Updated: April 1, 2026」「Effective: April 7, 2026」とされています。社内のチェックリストや稟議資料に記載する場合は、このような日付も一緒に残すと後で確認しやすくなります。
✅ まず押さえるべき結論
| 結論 | 補足 |
|---|---|
| ZapierのDPAは公式ページで確認できる | URLはZapier公式ドメイン |
| 通常は利用規約等に組み込まれる | 別途署名が不要なケースが多い |
| 署名済みPDFも取得できる | 専用フォーム経由 |
| AI回答だけで判断しない | 公式文書で最終確認する |
一言でまとめると、「zapier dpa」を調べる目的は、DPAの有無を探すだけではなく、自社がZapierにどのデータを流してよいか判断するための材料を集めることです。この視点で見ると、DPA本文だけでなく、データプライバシー概要、Trust Center、セキュリティ文書、サブプロセッサーまで一緒に確認する必要があります。
ZapierのDPAは別途署名なしでも適用される設計であること

ZapierのDPAで最初に迷いやすいのが、「自社で署名しないと有効にならないのか」という点です。公式DPAページでは、Zapierの利用規約にDPAが組み込まれているため、通常は別途署名したコピーを用意する必要はないと説明されています。
これはSaaSではよくある形です。すべての顧客ごとに個別交渉したDPAを結ぶのではなく、標準DPAを利用規約に組み込むことで、契約処理をシンプルにしています。中小企業やスタートアップにとっては、契約作業を軽くできるメリットがあります。
ただし、社内ルールとして「DPAの署名済みPDFを保管すること」が求められる会社もあります。その場合、Zapierはスタンドアロンの署名済みDPAを取得できる仕組みを用意しています。つまり、法的な適用と、社内証跡としての保管は分けて考えるのがわかりやすいです。
🧩 署名が必要かどうかの整理
| 状況 | 必要になりやすい対応 |
|---|---|
| 小規模利用で社内審査が簡易 | 公式DPA URLの保管で足りる可能性 |
| 法務審査がある | DPA本文・更新日・発効日を提出 |
| 監査証跡が必要 | 署名済みDPA PDFを取得 |
| Enterprise Agreementがある | 契約本文との関係を確認 |
| 自社DPAへの署名を求めたい | Zapierは他社DPAには署名できないと説明 |
ZapierのデータプライバシーFAQでは、Zapierは他社のDPAには署名できないものの、ZapierのDPAが顧客関係において十分であるはずだ、という趣旨の説明があります。これは交渉前提の個別DPAではなく、Zapier標準のDPAを使う方針だと理解できます。
社内の担当者向けに言い換えるなら、「Zapier DPAはある。標準DPAとして公開されている。通常は利用規約に組み込まれる。社内保存用の署名済みコピーも取得できる。ただし自社ひな形への署名は期待しないほうがよい」という整理です。
📌 社内説明に使いやすい短文
| 説明先 | 伝え方 |
|---|---|
| 事業部 | Zapierには公式DPAがあり、利用規約に組み込まれている |
| 法務 | 最新DPAは2026年4月1日更新、2026年4月7日発効 |
| 情シス | DPAに加えてTrust Centerとサブプロセッサーを確認する |
| 経営層 | 個別契約より標準DPA型のSaaS利用に近い |
重要なのは、DPAがあるかないかだけでOKにしないことです。Zapierは多くの外部サービスと接続するツールなので、DPAの確認と同時に「どのZapで、どのデータが、どの連携先に流れるか」まで見ないと、実務上のリスクを把握しきれません。
署名済みDPAが必要なら専用フォームから取得すること

Zapierでは、社内保管やコンプライアンス目的で署名済みDPAが必要な場合に、電子署名済みコピーを取得できる仕組みがあります。リサーチ対象のフォームでは、会社名、署名者名、署名者メール、署名者の役職などを入力する形式になっています。
流れとしては、Zapier Dropbox Signから署名依頼メールが届き、署名後に完全署名済みPDFが送られてくる形です。公式DPAページでは、メール件名の例や、メールが届かない場合の確認事項も説明されています。
この取得手順は、法務部門や情報セキュリティ部門にとって便利です。単にURLを保管するだけでなく、監査時に「この時点で署名済みDPAを取得していた」と示しやすくなります。
📝 DPA署名済みコピー取得時の入力項目
| 入力項目 | 内容 |
|---|---|
| Company Name | 自社の正式な法人名 |
| Signatory Name | DPAに署名する人の氏名 |
| Signatory Email | 署名依頼を受け取るメールアドレス |
| Signatory Title | 署名者の役職 |
| Captcha | 自動送信防止の確認 |
実務では、誰の名前で署名するかを先に決めておくとスムーズです。一般的には、契約権限を持つ役員、法務責任者、General Counsel、C.E.O.などが想定されますが、実際には自社の権限規程に従う必要があります。
⚠️ 署名済みDPA取得で詰まりやすい点
| 詰まりやすい点 | 対応 |
|---|---|
| メールが届かない | 迷惑メールフォルダを確認 |
| 署名後のPDFが届かない | 数分待つ |
| Dropbox Signの最後のボタンを押していない | 最終のAgree操作を確認 |
| 個人メールで申請してしまう | 会社の管理メールに統一 |
| 法人名が略称になっている | 登記上または契約上の正式名称で確認 |
Zapier公式ページでは、署名依頼メールと署名完了メールの2通が届く流れが説明されています。社内で証跡管理する場合は、PDFだけでなく、取得日、取得者、署名者、対象サービス、DPAの更新日も一緒に記録しておくと後で混乱しにくくなります。
なお、DPAを取得した後も、Zapier側がDPAを更新する可能性はあります。そのため、一度PDFを保存して終わりではなく、契約更新や監査前に最新版を確認する運用が現実的です。
ZapierはCustomer Contentでは顧客を管理者、Zapierを処理者として整理していること

Zapierのプライバシー概要では、Customer Contentについて、顧客がデータコントローラー、Zapierがデータプロセッサーという整理が示されています。簡単に言うと、どのデータをZapierに流すか決めるのは顧客側で、Zapierはサービス提供のためにそのデータを処理する立場ということです。
ここでいうCustomer Contentとは、Zapsやその他Zapierサービスを通じて入出力されるコンテンツを指します。たとえば、フォーム送信内容をCRMへ送る、問い合わせ内容をSlackへ通知する、スプレッドシートの行を別サービスへ連携する、といった場面が該当しやすいです。
この整理はとても重要です。なぜなら、ZapierがDPAを用意しているとしても、どの個人情報をZapierに送るか、送信元と送信先で適切な同意や法的根拠があるかは、顧客側の責任として残るためです。
🧠 役割の違い
| 立場 | ざっくりした意味 | Zapierでの整理 |
|---|---|---|
| データコントローラー | データ利用目的を決める側 | 顧客 |
| データプロセッサー | 指示に基づき処理する側 | Zapier |
| 第三者サービス | Zapierから転送される外部サービス | 各連携先 |
| サブプロセッサー | Zapierがサービス提供に使う委託先 | Zapierのリストで確認 |
この点を理解せずに「ZapierがDPAを出しているから全部安全」と考えるのは危険です。DPAは重要な土台ですが、Zapの設計、連携先の選定、データ項目の絞り込み、アクセス権限の管理は顧客側で行う必要があります。
📍 Customer Contentで確認すべきこと
| 確認事項 | 例 |
|---|---|
| 何のデータか | 氏名、メール、問い合わせ内容、注文情報など |
| 誰のデータか | 顧客、従業員、取引先、応募者など |
| どこへ送るか | CRM、Slack、Google Sheets、メール配信ツールなど |
| なぜ送るか | 通知、記録、営業対応、分析など |
| 必要最小限か | 全文ではなく必要項目だけで足りないか |
Zapierのような自動化ツールは便利ですが、便利さゆえに「とりあえず全部送る」設計になりやすいです。DPAの確認と同じくらい、Zapごとのデータ設計を見直すことが大切です。
DPAの対象外になりやすいのは第三者サービスへ転送された後のデータであること

ZapierのDPAでは、Personal InformationがZapierのServiceからThird-Party Serviceへ転送された後は、ZapierのDPAではなく、その第三者サービスとの契約が適用される趣旨が説明されています。ここは見落としやすいポイントです。
Zapierは多くのアプリをつなぐサービスです。そのため、Zapierだけを審査しても、実際のデータの行き先を見ないとリスクは判断できません。たとえば、Zapier経由でCRM、メール配信ツール、チャットツール、ストレージ、AIツールなどにデータを送る場合、それぞれのサービスのDPAやプライバシー条件も確認対象になります。
つまり、Zapier DPAは「Zapierが処理している範囲」のルールです。Zapierから先のサービスにデータが入った後は、そのサービスの契約、DPA、サブプロセッサー、保管場所、削除条件を別途見る必要があります。
🔗 Zapier連携の責任範囲イメージ
| データの場所 | 主に見るべき契約・文書 |
|---|---|
| 自社システム内 | 自社のプライバシーポリシー・社内規程 |
| Zapier処理中 | Zapier DPA |
| Zapierのサブプロセッサー | Zapier Subprocessors |
| 連携先SaaS内 | 連携先SaaSのDPA・規約 |
| 連携先の委託先 | 連携先SaaSのサブプロセッサー |
第三者リスク管理の記事でも、Zapierの各コネクターがリスクの入口になり得ると説明されています。特に規制業種では、Zap単位でどのデータがどこへ流れるかを棚卸しすることが重要です。
🧭 Zap単位で見るべきチェック表
| チェック | 内容 |
|---|---|
| Source | どのサービスからデータが出るか |
| Trigger | 何をきっかけに動くか |
| Action | どのサービスに何を送るか |
| Fields | 送る項目は何か |
| Purpose | 業務目的は何か |
| Owner | 誰が管理しているか |
| Risk Tier | 高・中・低のどれか |
実務では、Zapierそのものの審査に加えて、主要なZapを一覧化することをおすすめします。DPA確認は契約面の入り口であり、Zap一覧は運用面の安全確認です。この2つをセットで管理すると、監査や社内説明がかなり楽になります。
センシティブ情報や医療データはZapier利用前に慎重確認が必要であること

ZapierのDPAでは、サービスはSensitive Informationの処理を意図または設計していないとされ、顧客はSensitive Informationをサービスに提供しないことに同意する形になっています。ここは、業種によっては非常に重要です。
Sensitive Informationには、人種・民族、政治的意見、宗教・思想、労働組合、遺伝データ、生体データ、健康情報、性生活や性的指向、犯罪歴など、一般的に強い保護が必要とされる情報が含まれます。細かい範囲は法令によって異なりますが、通常の顧客情報より慎重に扱うべきデータです。
さらにZapierのData Privacy FAQでは、HIPAA上のPHIを含む規制対象の医療・ヘルスケアデータの利用はサポートされていないと説明されています。また、BAAにも署名できないとされています。
🚫 Zapier利用で特に注意したいデータ
| データ種別 | 注意点 |
|---|---|
| 医療・健康情報 | PHIやHIPAA対象データはサポート外と説明 |
| 犯罪歴 | センシティブ情報に該当しやすい |
| 生体情報 | 顔認証・指紋などは慎重確認 |
| 政治・宗教情報 | 強い保護対象になりやすい |
| 金融・カード情報 | PCIや金融規制の観点で別途確認 |
| 子どもの情報 | 法令や社内規程で厳格管理が必要な場合あり |
ここでの実務判断はシンプルです。Zapierで扱うデータが「通常の業務連絡レベル」なのか、「漏えい時の影響が大きいデータ」なのかを先に分けます。後者であれば、DPAだけでなく、業法、社内規程、BAAの要否、連携先の安全性まで確認したほうがよいです。
🛡️ 判断の目安
| 質問 | はいの場合 |
|---|---|
| 健康・医療情報を含むか | Zapier利用を避けるか法務確認 |
| カード情報を含むか | PCI観点で別設計を検討 |
| 未成年情報を含むか | 取得同意と保管範囲を確認 |
| 高度な個人識別情報を含むか | 最小化・暗号化・アクセス制限を確認 |
| 社外チャットに転送されるか | 誤送信・過剰共有を確認 |
「Zapierは便利だから何でも自動化できる」と考えるより、「Zapierに流してよいデータだけを自動化する」と考えるほうが安全です。特に医療、金融、法律、安全に関わる領域では、便利さよりもデータ分類を先に置くべきです。
zapier dpaを社内確認・監査・安全運用に活かすための実務整理

- GDPR・UK GDPR・CCPA対応はDPAとPrivacy Overviewをセットで見ること
- EU・UK・スイスから米国への移転はDPF・SCC・UK Addendumを確認すること
- Zapierのデータ保管場所は米国AWSでEU限定保管は非対応であること
- サブプロセッサー確認はZapier本体だけでなく連携先ごとに行うこと
- Trust CenterではSOC 2 Type IIやSOC 3などの文書を確認すること
- Zapier連携の安全運用はZap単位の棚卸しと承認ルールで決まること
- 総括:zapier dpaのまとめ
GDPR・UK GDPR・CCPA対応はDPAとPrivacy Overviewをセットで見ること

ZapierはData Privacy Overviewで、GDPR、UK GDPR、CCPAなどの適用されるデータプライバシー法に対応する姿勢を説明しています。DPAだけを見るより、Privacy Overviewも一緒に読むと、Zapierがどのような全体方針でプライバシー対応をしているか把握しやすくなります。
DPAは契約文書としての性格が強く、処理者としての義務、セキュリティ、インシデント通知、サブプロセッサー、国際移転などが整理されています。一方、Privacy Overviewは、顧客が実務で知りたいFAQに近い内容です。
たとえば、「データはどこに保存されるのか」「EU内だけに保存できるのか」「Zapierはデータを売るのか」「サブプロセッサーはいるのか」「医療データは扱えるのか」といった質問は、Privacy Overviewのほうが探しやすいです。
📚 DPAとPrivacy Overviewの使い分け
| 文書 | 役割 | 向いている確認 |
|---|---|---|
| Data Processing Addendum | 契約条件 | 法務・契約審査 |
| Data Privacy Overview | FAQと方針説明 | 初期調査・社内説明 |
| Subprocessors | 委託先一覧 | サードパーティ確認 |
| Trust Center | セキュリティ証跡 | 情シス・監査対応 |
| Security and Compliance | 文書取得案内 | SOCレポート等の確認 |
ZapierはDPA内で、U.S. Data Protection LawsやEuropean Data Protection Lawsについて定義しています。CCPA、CPRA、Virginia、Colorado、Connecticut、Utahなど、米国州法にも触れています。法務部門が確認する場合は、この定義範囲を読むと全体像が掴みやすいです。
🧾 法務確認で拾いたい項目
| 項目 | 確認ポイント |
|---|---|
| Applicable Data Protection Law | 対象法令の範囲 |
| Personal Information | DPA対象となるデータ |
| Security Incident | 通知対象の事故定義 |
| Sensitive Information | 利用制限があるデータ |
| U.S. Data Protection Laws | CCPA等の扱い |
| European Data Protection Laws | GDPR、UK GDPR、Swiss FADP |
ただし、法律適合性の最終判断は会社ごとの事業内容、データ内容、利用目的、契約形態によって変わります。この記事では一般的な確認観点を整理していますが、規制対象データや大規模処理がある場合は、社内法務や専門家確認を挟むのが現実的です。
EU・UK・スイスから米国への移転はDPF・SCC・UK Addendumを確認すること

Zapierは米国企業であり、データプライバシーFAQでは、AWSの米国サーバーにデータを保存すると説明されています。そのため、EU・UK・スイスの個人データをZapierに送る場合、国際データ移転の観点が出てきます。
ZapierはData Privacy Framework、つまりEU-US DPF、UK Extension、Swiss-US DPFへの認証を説明しています。また、DPAではController to Processor SCCs、Processor to Processor SCCs、UK Addendum、Swiss Amendmentsに関する記載があります。
このあたりは専門用語が多いですが、ざっくり言えば「欧州圏の個人データを米国のZapierへ移すときに、どの法的な橋を使うか」という話です。DPFやSCCは、その橋として確認されるものです。
🌍 国際移転まわりの用語整理
| 用語 | かんたんな意味 |
|---|---|
| DPF | EU・UK・スイスから米国への移転枠組み |
| SCC | EU標準契約条項 |
| UK Addendum | UK向けの追加条項 |
| Swiss Amendments | スイス向けの調整条項 |
| DTIA | データ移転影響評価 |
| Adequacy Decision | 十分性認定 |
ZapierのFAQでは、EUベースの顧客がEU個人データをZapierへ移転できるかについて、EU-US Data Privacy Frameworkの十分性認定やZapierの認証に触れながら説明されています。社内確認では、DPA本文、DPF認証、必要に応じてData Transfer Impact Assessmentページも見る流れになります。
🔎 欧州データを扱う場合の確認順
| 順番 | 確認内容 |
|---|---|
| 1 | ZapierにEU・UK・スイスの個人データを送るか |
| 2 | 送るデータの種類と目的を確認 |
| 3 | DPAのSCC・UK Addendum関連を確認 |
| 4 | DPF認証の説明を確認 |
| 5 | 必要に応じてDTIAを確認 |
| 6 | 連携先SaaSの移転条件も確認 |
ここで忘れてはいけないのは、Zapierだけが米国にデータを送る先とは限らないことです。Zapier経由でさらに別の米国SaaSへデータが移る場合、その連携先についても同様に移転条件を確認する必要があります。
国際移転のチェックは難しそうに見えますが、最初は「どの国の人のデータか」「どの国のサービスへ送るか」「DPAやSCCがあるか」の3点で整理すると、かなり見通しがよくなります。
Zapierのデータ保管場所は米国AWSでEU限定保管は非対応であること

ZapierのData Privacy FAQでは、Zapierは顧客の個人データや顧客のために処理されるデータを、米国にあるAWSサーバーでホストしていると説明されています。また、EU内だけにデータを保存するオプションはサポートしていないとされています。
この情報は、データレジデンシー要件がある企業にとって重要です。データレジデンシーとは、データを特定の国や地域内に置かなければならない、または置くことが強く求められる条件のことです。
たとえば、EU内保管が必須の社内方針がある場合、Zapierの標準利用はその方針と合わない可能性があります。逆に、米国保管でもDPA、DPF、SCC、社内承認があれば使えるという会社もあります。
🗺️ データ保管に関する確認表
| 項目 | Zapierの説明ベースの整理 |
|---|---|
| 主なホスティング | 米国AWSサーバー |
| EU限定保管 | サポートなし |
| EUデータ移転 | DPF等の枠組み説明あり |
| カスタム保持期間 | CompanyまたはEnterpriseで一部設定可能 |
| 通常の保持 | Zap ContentやZap Historyは月次削除ルールあり |
ZapierのFAQでは、Zap ContentやZap Historyの保持期間について、毎月最初の月曜日に古いデータを削除し、現在月と前月のデータを保持する流れが説明されています。その結果、削除前は最大69日、削除後は少なくとも29日程度のデータが残る説明になっています。
📅 データ保持のイメージ
| タイミング | 保持される可能性があるデータ |
|---|---|
| 月初削除前 | 当月、前月、前々月の一部 |
| 月初削除後 | 当月、前月 |
| 最大の目安 | 最大69日 |
| 最小の目安 | 少なくとも29日 |
| Company/Enterprise | 7日から30日のカスタム保持設定が可能と説明 |
この保持ルールは、便利なトラブルシューティング機能とリスク管理の両面があります。Zap Historyが残ることでエラー原因を追いやすい一方、個人情報が一定期間保存されることにもなります。
そのため、Zapierに流すデータは必要最小限にするのが基本です。特に問い合わせ本文、自由入力欄、メモ欄などには、想定外の個人情報やセンシティブ情報が入ることがあります。自由入力項目をそのまま連携する場合は、社内で事前確認したほうがよいでしょう。
サブプロセッサー確認はZapier本体だけでなく連携先ごとに行うこと

ZapierのDPAでは、サブプロセッサーリストへのリンクが定義されています。サブプロセッサーとは、Zapierがサービス提供のために利用する外部委託先のことです。SaaSでは一般的に、クラウドホスティング、メール送信、サポート、分析、監視などでサブプロセッサーが使われます。
DPA審査では、サブプロセッサーの確認はほぼ必須です。どの会社がデータ処理に関わる可能性があるのか、どのように追加・変更されるのか、通知や異議申立ての仕組みがあるのかを確認します。
ただし、Zapierで特に大事なのは、Zapier本体のサブプロセッサーだけ見ても不十分という点です。Zapierは他のSaaSへデータを運ぶ役割を持つため、連携先SaaS側のサブプロセッサーも別途確認対象になります。
🧱 サブプロセッサー確認の二層構造
| 層 | 確認対象 | 例 |
|---|---|---|
| Zapier層 | Zapierのサブプロセッサー | Zapierが利用する委託先 |
| 連携先層 | 接続先SaaSのサブプロセッサー | CRM、チャット、ストレージ等の委託先 |
| 自社運用層 | 誰がZapを作れるか | 管理者、事業部、外部委託者 |
| データ層 | 何のデータが流れるか | PII、顧客情報、注文情報など |
第三者リスク管理の観点では、Zapier connectorごとにリスクを分ける考え方が有効です。たとえば、公開情報を通知するだけのZapと、顧客の個人情報をCRMへ同期するZapでは、必要な審査の深さが違います。
🧮 コネクターリスクの簡易マトリクス
| データ分類 | 業務重要度 | 推奨リスク |
|---|---|---|
| 公開情報 | 低 | Tier 3 |
| 社内情報 | 中 | Tier 2 |
| 個人情報 | 中〜高 | Tier 2〜Tier 1 |
| センシティブ情報 | 高 | 原則避けるか厳格審査 |
| 医療・PHI | 高 | Zapierでは慎重、FAQ上はサポート外説明 |
| カード情報 | 高 | PCI観点で別途確認 |
サブプロセッサー確認を運用に落とすなら、主要Zapごとに「接続先」「データ項目」「契約文書」「承認者」「最終確認日」を記録するとよいです。大企業ほど完璧なGRCツールを使うかもしれませんが、小規模ならスプレッドシートでも始められます。
重要なのは、サブプロセッサー確認を一度だけの作業にしないことです。SaaSの委託先は変更されることがあります。少なくとも契約更新時、監査前、重要Zapの変更時には再確認する運用が現実的です。
Trust CenterではSOC 2 Type IIやSOC 3などの文書を確認すること

ZapierのSecurity and Complianceページでは、ZapierがAICPAのSOC for Service Organizations、SOC 2 Type II、SOC 3の第三者監査認証を取得していると説明されています。また、Trust Centerでセキュリティ・コンプライアンス文書にアクセスできるとされています。
Trust Centerで確認できる文書としては、SOC 2 Type II report、SOC 3 report、Penetration testing results、Security whitepaper、Security policiesなどが挙げられています。ただし、一部文書は公開ではなく、NDAの署名が必要です。
参考: https://help.zapier.com/hc/en-us/articles/8496181993613-Security-and-Compliance
DPAはプライバシー・契約面の文書ですが、Trust Centerはセキュリティ証跡の入口です。社内の情報システム部門や監査担当者は、DPAだけでなくSOCレポートやペネトレーションテスト結果を求めることがあります。
🔐 Trust Centerで確認できる主な文書
| 文書 | 目的 |
|---|---|
| SOC 2 Type II report | セキュリティ統制の運用状況確認 |
| SOC 3 report | 一般公開向けの監査報告 |
| Penetration testing results | 外部侵入テストの確認 |
| Security whitepaper | セキュリティ体制の概要確認 |
| Security policies | セキュリティ方針の確認 |
NDAが必要な文書は、Trust Center内で直接NDAに署名して取得する流れと説明されています。Zapier SupportやSalesに連絡しなくても、セルフサービスで進められる点は実務上便利です。
🧾 情シス向け確認リスト
| 確認項目 | 見る場所 |
|---|---|
| SOC 2 Type IIの有無 | Trust Center |
| SOC 3の有無 | Trust Center |
| ペネトレーションテスト結果 | Trust Center |
| セキュリティ方針 | Trust Center |
| NDAが必要な文書 | Trust Center内の案内 |
| 年次監査の更新 | Security and Compliance説明 |
監査対応でよくある失敗は、DPAだけを提出してセキュリティ証跡を出し忘れることです。逆に、SOC 2だけを提出してDPAやサブプロセッサーを見落とすこともあります。Zapierを社内承認に通すなら、DPA、Trust Center、Privacy Overview、Subprocessorsをまとめて確認するのが実務的です。
Zapier連携の安全運用はZap単位の棚卸しと承認ルールで決まること

Zapierはノーコードで簡単に自動化できるのが強みです。しかし、簡単に作れるということは、管理されていないZapが増えやすいということでもあります。DPAを確認しても、誰でも自由にZapを作って個人情報を外部サービスへ送れる状態では、運用リスクが残ります。
そこで重要になるのが、Zap単位の棚卸しです。どのZapが動いているか、誰が作ったか、どのデータを扱うか、どの連携先へ送るか、業務目的は何かを一覧化します。これは地味ですが、最も効果のあるリスク管理です。
第三者リスク管理の記事でも、Zapレベルでコネクター、データフロー、分類、承認、サブプロセッサー、SCCやDTIAなどを記録することが推奨されています。規制業種でなくても、この考え方は役に立ちます。
🗂️ Zap棚卸しテンプレート
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| Zap名 | 問い合わせ通知Zap |
| オーナー | 営業企画 |
| 目的 | 問い合わせをSlackへ通知 |
| Trigger | フォーム送信 |
| Action | Slackチャンネル投稿 |
| データ項目 | 氏名、会社名、メール、問い合わせ内容 |
| データ分類 | 個人情報 |
| 承認者 | 情シス、法務 |
| 最終確認日 | 2026/05/20 |
この一覧を作ると、不要なZapや過剰なデータ連携が見えてきます。たとえば、Slack通知には会社名と問い合わせIDだけで十分なのに、メールアドレスや自由入力全文まで送っているケースがあるかもしれません。
✅ 安全運用の基本ルール
| ルール | 内容 |
|---|---|
| 最小限のデータだけ送る | 不要な項目は連携しない |
| 個人アカウントを避ける | 会社管理アカウントで運用 |
| 高リスクZapは承認制 | 法務・情シスレビュー |
| 変更履歴を残す | 誰がいつ変えたか記録 |
| 定期棚卸し | 月次または四半期 |
| 不要Zapを停止 | 退職者・古い業務のZapを整理 |
DPAは「契約上の安全網」です。一方、Zap棚卸しと承認ルールは「運用上の安全網」です。どちらか片方では不十分になりやすいため、社内導入ではセットで考えるのがよいでしょう。
また、Zapierを部門横断で使うなら、承認の重さをデータ分類で変えるのがおすすめです。公開情報や低リスク通知は軽く、個人情報や重要業務データを含むZapは重くする。これなら現場のスピードを止めすぎず、リスクの高い部分だけ丁寧に見られます。
総括:zapier dpaのまとめ

最後に記事のポイントをまとめます。
- zapier dpaはZapier公式のData Processing Addendumを指すものである。
- ZapierのDPAは利用規約やEnterprise Agreementに組み込まれる設計である。
- 通常は別途署名が不要だが、社内保管用の署名済みPDFは取得可能である。
- 署名済みDPAは専用フォームから申請し、Dropbox Sign経由で受け取る流れである。
- DPAの最新版は2026年4月1日更新、2026年4月7日発効として確認できる。
- Customer Contentでは、顧客がデータコントローラー、Zapierがデータプロセッサーである。
- Zapierから第三者サービスへ転送された後のデータは、その第三者サービス側の契約確認が必要である。
- Zapierはセンシティブ情報の処理を意図していないため、重要データの投入は慎重に判断すべきである。
- HIPAA上のPHIなど医療・ヘルスケア規制データは、ZapierのFAQ上ではサポート外と説明されている。
- Zapierは米国AWSサーバーでデータをホストし、EU限定保管オプションはサポートしていない。
- EU・UK・スイスからの移転では、DPF、SCC、UK Addendum、Swiss Amendmentsの確認が重要である。
- Trust CenterではSOC 2 Type II、SOC 3、ペネトレーションテスト結果などを確認できる。
- 一部のセキュリティ文書はNDA署名後に取得する流れである。
- サブプロセッサー確認はZapier本体だけでなく、各連携先SaaSにも必要である。
- 実務上はZap単位でデータ項目、目的、連携先、承認者を棚卸しすることが重要である。
- DPA確認は契約面の入口であり、安全運用はZap設計と承認ルールで決まるものである。
- https://zapier.com/legal/data-processing-addendum
- https://cdn.zapier.com/storage/files/46ac3128100f09a5eeda6ceb7bdb61aa.pdf
- https://zapier.com/legal/data-privacy
- https://dpa.zapier.app/
- https://help.zapier.com/hc/en-us/articles/8496181993613-Security-and-Compliance
- https://trust.zapier.com/
- https://medium.com/@kumar.sonu.m7/is-openais-new-agent-builder-the-n8n-or-zapier-killer-79fceaeb2783
- https://www.kriv.ai/articles/golu
- https://www.relaycommerce.io/subprocessors
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