年収160万でも扶養に入れるの?税金・社会保険の壁をまるっと全解説してみた
「年収160万円になったら扶養から外れてしまうの?」「160万って、働き損になるんじゃないの?」という不安を抱えている方はとても多いです。令和7年度の税制改正で「103万円の壁」が「160万円の壁」に引き上げられ、制度が大きく変わりました。でも「扶養に入れるかどうか」は、税金の話だけで判断できないのが正直なところです。
この記事では、年収160万円と扶養の関係について、税金・社会保険それぞれの観点から丁寧にまとめました。配偶者控除・配偶者特別控除の仕組み、社会保険の106万・130万の壁、年収別の手取りシミュレーションまでを網羅しているので、「結局いくらまで稼げば損しないの?」という疑問もスッキリ解消できます。
| この記事のポイント |
|---|
| ✅ 年収160万円では社会保険の扶養(130万円の壁)を超えており、自分で社会保険に入る必要がある |
| ✅ ただし税制上は「配偶者特別控除」の満額38万円が160万円まで適用されるため、配偶者の税負担は減る |
| ✅ 所得税の「160万円の壁」は税金の話であり、社会保険の扶養条件(130万円)とは完全に別の制度 |
| ✅ 年収130万〜150万円台は「働き損ゾーン」になりやすいため、扶養を外れるなら150万円以上を目指すのが鉄則 |
年収160万と扶養に入れるかどうか、知っておくべき基礎知識

- 年収160万でも扶養に入れるかどうか、結論はこれ
- 年収160万の壁とは何か(2025年税制改正の仕組み)
- 年収160万で税金はいくらかかるのか
- 年収160万円は働き損と言われるのはなぜか
- 年収160万円で配偶者特別控除は適用されるか
- 年収160万円で扶養から外れるのはいくらからか
年収160万でも扶養に入れるかどうか、結論はこれ

「年収160万 扶養に入れる?」この質問への答えは、どの”扶養”を指しているかによって全く異なります。扶養には大きく分けて「税制上の扶養」と「社会保険の扶養」の2種類があり、それぞれ適用される基準がまったく違うためです。結論を見やすく整理すると以下のとおりです。
📊 年収160万円の場合の扶養区分別チェック表
| 扶養の種類 | 基準年収 | 年収160万の場合 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 配偶者控除(税制上の扶養) | 123万円以下 | ❌ 対象外 | 給与収入123万円超は配偶者控除不可 |
| 配偶者特別控除 | 123万超〜201.6万円以下 | ✅ 満額(38万円)適用 | 160万円以下なら満額OK |
| 社会保険の扶養(130万の壁) | 130万円未満 | ❌ 対象外 | 自分で社会保険に加入が必要 |
| 社会保険(106万の壁) | 一定条件次第 | ❌ 対象外 | 該当者は106万円超で加入義務あり |
つまり、年収160万円では「配偶者控除(税制上の扶養)」には入れませんが、「配偶者特別控除」の恩恵は満額38万円受けることができます。また、社会保険の扶養(130万の壁)はすでに超えているため、自分で社会保険に加入する必要があります。
よく混同されがちなのが「160万円の壁=扶養内で働ける上限」という誤解です。正確には160万円の壁は所得税の非課税ラインの話であり、社会保険の扶養条件(130万円)とは別々の制度です。この違いを理解するだけで、多くの混乱が解消されます。
「扶養に入れる」という言葉は、文脈によって全然違う意味になります。職場の扶養手当(配偶者手当)の基準も各社異なり、中には旧来の103万円を基準にしている企業もあるため、自分の職場のルールを人事担当者に必ず確認しておくことが重要です。
国税庁の公式情報によると、令和7年度の税制改正によって配偶者控除の所得要件は58万円以下(給与収入のみで123万円以下)に変更されています。
パート収入が160万円以下でほかに所得がなければ、その方に所得税等はかからず、また、その方の配偶者は、一定の要件に当てはまれば、38万円の配偶者(特別)控除を受けることができます。
引用元:https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/02_2.htm
配偶者特別控除は「夫婦のどちらか一方のみ適用」というルールもあります。夫と妻の双方が要件を満たしていたとしても、控除を受けられるのはどちらか一方に限られるため、どちらが申告するかも確認しておきましょう。
年収160万の壁とは何か(2025年税制改正の仕組み)

「160万円の壁」とは、給与所得者の所得税がかかり始める年収のボーダーラインのことです。令和7年度(2025年度)の税制改正によって、従来の「103万円の壁」が「160万円の壁」に引き上げられました。この引き上げの仕組みは、以下の2つの控除の変更がベースになっています。
📊 103万の壁→160万の壁への変更点(主な控除の比較)
| 控除の種類 | 改正前 | 改正後(令和7年〜) |
|---|---|---|
| 基礎控除(年収200万円以下の場合) | 48万円 | 最大95万円 |
| 給与所得控除(最低保障額) | 55万円 | 65万円 |
| 合計(非課税枠) | 103万円 | 160万円 |
ただし注意が必要な点があります。基礎控除が最大95万円になるのは年収200万円以下の人に限った措置であり、それを超えると段階的に控除額が減っていきます。また、この基礎控除の上乗せ分(37万円相当)は2025〜2026年の2年間限定の時限措置とされているため、2027年以降は制度が変わる可能性もあります。
📊 年収帯別の基礎控除額(2025〜2026年・改正後)
| 給与収入 | 改正後の基礎控除額 |
|---|---|
| 200万円以下 | 95万円 |
| 200万超〜475万円以下 | 88万円 |
| 475万超〜665万円以下 | 68万円 |
| 665万超〜850万円以下 | 63万円 |
| 850万超〜2,545万円以下 | 58万円 |
引用元:https://www.bk.mufg.jp/column/others/b0083.html
この改正の背景には、「働き控え」を解消する政策的な目的があります。最低賃金の上昇により、103万円の壁を意識すると就業時間を大幅に削らなければならない状況になっていたためです。東京都の生活保護基準や最低賃金の水準を踏まえ、年収200万円以下の所得層の税負担を軽くすることが目的とされています。
年収の壁は段階的に変化しており、令和8年度税制改正大綱では178万円への引き上げや、物価上昇に連動して2年ごとに見直す仕組みの創設も盛り込まれています。2025年は160万円、2026年は178万円と変化する予定のため、自分に適用される年度の制度を都度確認することが大切です。
「年収の壁を意識して就業調整をしている」という方は、パートタイム労働者全体の15.9%、配偶者のいる女性パートタイム労働者では約21.8%(約5人に1人)に上るという調査結果もあります(厚生労働省「パートタイム・有期雇用労働者総合実態調査」)。制度改正により、こうした「働き控え」が徐々に解消されていくことが期待されています。
年収160万で税金はいくらかかるのか

年収160万円ちょうどであれば、令和7年度改正後は所得税はかかりません。基礎控除最大95万円+給与所得控除65万円=160万円が非課税枠となるためです。ただし、これはあくまで給与収入のみで他に所得がない場合の話です。副業収入などがある場合は別途計算が必要になります。
📊 年収160万円にかかる税金の種類と概要
| 税金の種類 | かかるかどうか | 備考 |
|---|---|---|
| 所得税 | ❌ かからない | 令和7年度改正後。160万円以下は非課税 |
| 住民税(所得割) | ✅ かかる | 年収110万円超から課税(自治体により異なる) |
| 住民税(均等割) | ✅ かかる場合あり | 自治体によって異なる |
住民税については、所得税とは異なる非課税ラインが設定されています。多くの自治体では年収110万円を超えると住民税(所得割)がかかり始めます。年収160万円の場合は住民税の支払いが発生するため、「税金が一切かからない」という状態にはなりません。
📊 所得税と住民税の適用タイミングの違い
| 項目 | 所得税 | 住民税 |
|---|---|---|
| 課税対象 | その年の収入 | 前年の収入 |
| 2025年分の改正適用 | 2025年12月の年末調整から | 2026年6月(令和8年度)から |
| 非課税ライン(給与のみ) | 160万円以下(令和7年〜) | 110万円以下(令和7年度改正後) |
政府が試算した減税額(所得税のみ)を見てみましょう。年収200万円の方は約2.4万円、年収300〜600万円の方は約2万円程度の減税効果が見込まれています。
引用元:https://www.kantei.go.jp/jp/headline/nennsyuunokabe/index.html
年収160万円前後の方も、改正前(103万円の壁時代)と比べて所得税の負担が軽くなっています。また、所得税の非課税ライン引き上げは正社員・フルタイム勤務の方にも恩恵があり、基礎控除・給与所得控除の拡大によって幅広い層で納める税金が減る効果が生じています。
ただし、所得税と住民税は課税されるタイミングが1年ずれているため、「今年から減税になる」と思っても住民税の恩恵は翌年6月以降にならないと反映されません。手取りが増えるタイミングを正確に把握しておくことで、家計計画が立てやすくなります。
年収160万円は働き損と言われるのはなぜか

「年収160万円は働き損」という声がありますが、これは所得税の非課税ライン(160万円)と社会保険の扶養条件(130万円)がずれていることが原因です。所得税の観点では「160万円まで税がかからない」のに、社会保険の観点では「130万円を超えると自分で保険料を払わないといけない」という状況が生まれています。
📊 年収130〜160万円台の手取りイメージ(参考値)
| 年収 | 社会保険料の目安 | 手取りの目安 | 状況 |
|---|---|---|---|
| 129万円 | なし(扶養内) | 約126万円 | 社会保険の扶養のまま |
| 131万円 | 約20万円 | 約111万円 | 扶養を外れると急減 |
| 150万円 | 約24万円 | 約119〜121万円 | ようやく129万円に近づく |
| 160万円 | 約25万円 | 約124〜126万円 | 扶養内129万円並みの水準に |
※協会けんぽ(東京都・令和7年度)の保険料率を参考に概算。実際の額は勤務先や加入保険によって異なります。
引用元:https://www.77bank.co.jp/financial-column/article92.html
この表で注目してほしいのは、年収129万円(扶養内)と年収131万円(扶養外)の差です。たった2万円の年収増加で、手取りが約15万円も減る逆転現象が起きています。これが「130万円の壁」の怖さであり、「働き損」と感じさせる原因です。
年収160万円まで稼げば、手取りは約124〜126万円となり、扶養内(129万円)の手取りにほぼ並ぶ水準になってきます。つまり年収160万円は、ようやく「働き損ゾーン」を抜けてきた位置にあると理解するとわかりやすいでしょう。さらに年収を増やして180万円・200万円になれば、手取りも着実に増えていきます。
「働き損」を避けるための選択肢は大きく2つです。
✅ 「働き損」を避ける2つの選択肢
- 選択肢①:年収130万円未満に抑えて社会保険の扶養に入り続ける
- 選択肢②:思い切って年収150万円以上を目指し、扶養を外れてしっかり稼ぐ
この中間ゾーン(130〜150万円台)が最も「損しやすいゾーン」であることを頭に入れておくだけで、働き方の判断がしやすくなります。
所得税と社会保険は別の省庁が管轄しているため、改正のタイミングや基準が一致しないことが「年収の壁がわかりにくい」と感じさせる最大の原因です。制度の所管は所得税が財務省、社会保険が厚生労働省と異なるため、両方の制度を別々に把握しておく必要があります。
年収160万円で配偶者特別控除は適用されるか

令和7年度の税制改正により、配偶者特別控除が満額(38万円)受けられる年収の上限が、従来の150万円から160万円に引き上げられました。これは配偶者がいる世帯にとって大きなメリットです。
📊 配偶者特別控除の適用状況(令和7年度改正後)
| 配偶者の給与年収(概算) | 控除区分 | 控除額(納税者所得900万円以下の場合) |
|---|---|---|
| 123万円以下 | 配偶者控除 | 38万円 |
| 123万超〜160万円以下 | 配偶者特別控除 | 38万円(満額) |
| 160万超〜165万円以下 | 配偶者特別控除 | 36万円 |
| 165万超〜170万円以下 | 配偶者特別控除 | 31万円 |
| 175万超〜180万円以下 | 配偶者特別控除 | 21万円 |
| 201.6万円超 | 対象外 | 0円 |
引用元:https://www.yayoi-kk.co.jp/kyuyo/oyakudachi/haigushakojo-nenshu/
つまり配偶者が年収160万円であれば、扶養している側は38万円の配偶者特別控除を受けられます。年収123万円以下なら「配偶者控除」、123万円超なら「配偶者特別控除」と区分は変わりますが、160万円以下であれば控除額は同じ38万円です。
配偶者控除と配偶者特別控除の主な違いは、対象となる配偶者の所得範囲です。配偶者控除は合計所得金額58万円以下(給与収入123万円以下)が対象で、それを超えると配偶者特別控除に移行します。控除額は160万円以下なら変わらないため、年収160万円前後で働いている方の配偶者は引き続き満額控除の恩恵を受けられます。
📊 配偶者控除 vs 配偶者特別控除の違い(簡易比較)
| 項目 | 配偶者控除 | 配偶者特別控除 |
|---|---|---|
| 対象となる配偶者の年収 | 123万円以下 | 123万超〜201.6万円以下 |
| 控除額(満額・納税者所得900万円以下) | 38万円 | 38万円(160万円以下) |
| 控除の減少 | なし(所得要件内なら一定) | 年収160万超から段階的に減少 |
注意したいのは、この控除を受けられるのは扶養している側(納税者本人)の合計所得金額が1,000万円以下の場合に限られる点です。配偶者の年収だけでなく、扶養している側の収入条件も関係するため、双方の年収を合わせて確認しておきましょう。
また、配偶者特別控除は年収が160万円を超えると段階的に控除額が減っていきます。201.6万円を超えると完全に0円になります。ただし急に0円になるのではなく、徐々に減少する設計のため、160万円を少し超えても世帯の手取りが急減することはありません。
年収160万円で扶養から外れるのはいくらからか

「扶養から外れる」といっても、何の扶養かによって基準が違います。「扶養」という言葉は文脈によって複数の意味を持つため、混乱しやすいポイントです。それぞれの基準を整理すると以下のとおりです。
📊 「扶養から外れる」基準年収一覧(令和7年度改正後)
| 扶養の種類 | 外れるライン | 主な影響 |
|---|---|---|
| 税制上の扶養(配偶者控除) | 年収123万円超 | 配偶者控除の対象外になる(特別控除あり) |
| 税制上の扶養(扶養控除・一般) | 年収123万円超 | 扶養者の扶養控除が使えなくなる |
| 社会保険の扶養(130万の壁) | 年収130万円以上 | 自分で国民年金・国民健康保険に加入が必要 |
| 社会保険の扶養(106万の壁) | 月収8.8万円以上など条件あり | 勤務先の健康保険・厚生年金に加入義務が生じる |
| 企業の配偶者手当 | 企業によって異なる | 103万円・130万円・160万円など基準はバラバラ |
年収160万円の場合、すでに130万円・123万円・106万円のいずれの壁も超えているため、社会保険の扶養にも税制上の配偶者控除の扶養にも入れない状態です。ただし繰り返しになりますが、「配偶者特別控除(満額38万円)」は160万円以下であれば引き続き適用されます。
📊 「扶養」の種類と年収160万円での状況まとめ
| 「扶養」の種類 | 年収160万円での結論 |
|---|---|
| 配偶者の健康保険の被扶養者(社会保険) | ❌ 入れない(130万円超のため) |
| 国民年金の第3号被保険者 | ❌ 対象外(130万円超のため) |
| 配偶者控除の対象(税制上) | ❌ 対象外(123万円超のため) |
| 配偶者特別控除の満額対象 | ✅ 対象(160万円以下のため) |
| 所得税の非課税対象(本人) | ✅ 対象(160万円以下のため) |
企業が支給する「配偶者手当(家族手当)」については、税制とは独立して企業独自の基準で支給が決まります。配偶者の年収が103万円や130万円を上限としている企業も多く、制度改正後もすぐに手当の基準が変わるとは限りません。自分の職場の規定を人事担当者に確認しておくことが大切です。
首相官邸の公式ページでも、企業の配偶者手当の見直し促進を国が働きかけていることが示されています。「今後は扶養手当の基準も見直される企業が増える可能性がある」という点も念頭に置いておきましょう。
引用元:https://www.kantei.go.jp/jp/headline/nennsyuunokabe/index.html
年収160万で扶養に入れない場合の手取りと損しない働き方

- 社会保険の壁(106万・130万)は税金とは別の制度と理解すること
- 年収ごとの手取りシミュレーション(100〜200万円台)
- 扶養内で働きたいなら年収130万円未満が目安
- 扶養を気にせず稼ぐなら年収150万円以上を目指すこと
- 106万円の壁は2026年10月に撤廃される予定
- 配偶者特別控除の仕組みと世帯全体の手取りへの影響
- 総括:年収160万 扶養に入れるのまとめ
社会保険の壁(106万・130万)は税金とは別の制度と理解すること

「年収の壁」は一種類ではなく、税金の壁と社会保険の壁がまったく別の制度として並立しています。この2つを混同することが、年収の壁が「わかりにくい」と感じる最大の原因です。所得税は財務省の管轄、社会保険は厚生労働省の管轄と省庁が異なるため、改正のタイミングや基準がバラバラになりがちです。
📊 税金の壁 vs 社会保険の壁の全体マップ(令和7年度改正後)
| 区分 | 壁の種類 | 年収ライン | 主な内容 |
|---|---|---|---|
| 税金の壁 | 住民税の壁 | 110万円超 | 住民税(所得割)がかかり始める |
| 税金の壁 | 配偶者控除の壁 | 123万円超 | 配偶者控除の対象外になる |
| 税金の壁 | 所得税の壁 | 160万円超 | 所得税がかかり始める |
| 税金の壁 | 配偶者特別控除の壁 | 201.6万円超 | 配偶者特別控除も受けられなくなる |
| 社会保険の壁 | 106万円の壁 | 月収8.8万円以上など条件あり | 勤務先の社会保険に加入義務(条件次第) |
| 社会保険の壁 | 130万円の壁 | 130万円以上 | 配偶者の扶養から外れる |
引用元:https://www.jili.or.jp/lifeplan/houseeconomy/9479.html
106万円の壁は、以下の条件すべてを満たす場合に初めて該当します。
✅ 106万円の壁の適用条件(すべてに該当する場合)
- 勤務先の従業員数が51人以上
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 月額賃金が88,000円以上(年収換算で約106万円)
- 雇用期間が2ヶ月を超える見込み
- 学生ではない
これらの条件をすべて満たして初めて「106万円の壁」が関係してきます。たとえば従業員数が50人以下の小規模な職場で働いている場合、月収が8.8万円を超えていても106万円の壁は適用されません。自分の職場がどの条件に該当するかを確認することが重要です。
📊 106万の壁・130万の壁の主な違い(比較表)
| 項目 | 106万円の壁 | 130万円の壁 |
|---|---|---|
| 加入先 | 勤務先の健康保険・厚生年金 | 国民健康保険・国民年金(または勤務先) |
| 適用条件 | 従業員数・労働時間・賃金等の要件あり | 年収130万円以上(条件を問わず) |
| 2026年以降の変化 | 賃金要件(8.8万円以上)が撤廃予定 | 引き続き存続 |
年収160万円の場合は130万円の壁をすでに大きく超えているため、社会保険の扶養には入れないことが確定しています。社会保険料(健康保険+厚生年金)の自己負担は月1.5〜2万円程度(年約18〜25万円)になるケースが多く、手取りに与えるインパクトは決して小さくありません。
年収ごとの手取りシミュレーション(100〜200万円台)

実際に年収別の手取りを確認することで、「どのゾーンが損しやすいか」が一目でわかります。以下の表は、扶養の有無と社会保険の加入状況を踏まえた手取りの目安です。実際の金額は加入保険や勤務先によって異なりますが、傾向をつかむ参考にしてください。
📊 年収別・手取り額の目安シミュレーション(2025年時点)
| 年収(概算) | 所得税 | 住民税 | 社会保険料目安 | 手取り額の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 100万円 | なし | なし | なし | 約100万円 |
| 106万円 | なし | なし | 条件付きで発生 | 約101〜104万円 |
| 129万円(扶養内) | なし | あり | なし | 約126万円 |
| 131万円(扶養外) | なし | あり | 約20万円 | 約111万円 |
| 150万円(扶養外) | なし | あり | 約24万円 | 約119〜121万円 |
| 160万円(扶養外) | あり | あり | 約25万円 | 約124〜126万円 |
| 180万円(扶養外) | あり | あり | 約27万円 | 約134〜136万円 |
| 200万円(扶養外) | あり | あり | 約29万円 | 約144〜146万円 |
※協会けんぽ(東京都・令和7年度)の保険料率で概算。実際の手取りは保険料や控除の個別状況により異なります。
引用元:https://edenred.jp/article/workstyle-reform/206/
このシミュレーションを見ると、年収131万円〜150万円の範囲が最も「損しやすいゾーン」であることがわかります。社会保険料の負担で手取りが扶養内の129万円を下回ってしまうためです。
📊 「働き損ゾーン」の見極めポイント
| 年収ゾーン | 手取りの動き | 判断のポイント |
|---|---|---|
| 〜129万円 | 年収とほぼ比例して増加 | 扶養内で安定して稼ぎやすい |
| 130〜150万円 | 急に減少(逆転現象) | 最も「働き損」になりやすいゾーン |
| 150〜160万円 | 129万円水準に近づく | 扶養内129万円の手取りに並んでくる |
| 160万円超 | 年収とほぼ比例して増加 | 年収が増えるほど着実に手取りも増える |
年収160万円は「働き損ゾーン」をちょうど抜け出す水準であり、それ以上稼ぐほど手取りも増えていく安定したゾーンに入ります。この視点を持つことで、「とにかく160万円の壁を気にして抑えよう」という発想から解放され、より自分に合った働き方を選びやすくなります。
扶養内で働きたいなら年収130万円未満が目安

配偶者の社会保険の扶養に入ったまま働き続けたいなら、年収130万円未満に抑えることが基本の目安です。130万円未満であれば、配偶者の健康保険の被扶養者のまま、健康保険料・国民年金保険料を自分で支払わずに済みます。
ただし、ひとつ大切な確認事項があります。勤務先の従業員数が51人以上で、週20時間以上・月収8.8万円以上などの条件を満たす場合は、年収130万円未満であっても「106万円の壁」に引っかかり、自分で社会保険に加入しなければなりません。
📊 扶養内で働くためのチェックリスト
| チェック項目 | 確認ポイント |
|---|---|
| ✅ 社会保険の扶養ライン | 年収130万円未満を目安に管理する |
| ✅ 106万の壁の確認 | 勤務先が51人未満か、週20時間未満かを確認する |
| ✅ 税制上の配偶者控除 | 年収123万円以下なら配偶者控除の対象になる |
| ✅ 企業の扶養手当確認 | 職場の配偶者手当の支給基準を人事に確認する |
| ✅ 一時的な収入増への対応 | 繁忙期で一時的に130万を超えた場合は事業主証明の活用も可能 |
なお、令和7年からは繁忙期などで一時的に収入が上がった場合でも、事業主(雇用主)の証明があれば引き続き扶養のままでいられる仕組みが整備されています。「年末に残業が続いて130万円を超えてしまった」というようなケースでも柔軟に対応できるようになっています。
また、2026年4月からは社会保険の扶養判定方法が変更される予定です。「実際に支払われた収入額」ではなく「労働条件通知書に記載された年間収入見込み」で判定されるようになるため、契約上の年収が130万円未満であれば、繁忙期の残業で実績として130万円を超えても、直ちに扶養から外れることはなくなる見通しです。
引用元:https://www.77bank.co.jp/financial-column/article92.html
育児・介護・体力的な制約から長時間働くことが難しい方にとって、扶養内での就業は引き続き合理的な選択肢です。無理に年収を増やすよりも、扶養内で安定した生活を維持するほうが家計全体の負担を抑えられるケースも少なくありません。
扶養を気にせず稼ぐなら年収150万円以上を目指すこと

社会保険の扶養から外れて稼ぐことを選ぶなら、年収150万円以上を目指すのが手取りを増やすための現実的な目安です。年収130万円を少し超えた程度では社会保険料の負担で手取りがかえって減ってしまうため、扶養を外れるなら一気に150万円以上を目標にすることが推奨されています。
シミュレーションによれば、扶養内の年収129万円(手取り約126万円)と比較すると、年収150万円で扶養外になった場合の手取りは約119〜121万円と、まだ少し下回る水準です。年収160万円まで稼いでようやく129万円と同等の手取りになるというのが実情です。
📊 扶養内 vs 扶養外の手取り比較(目安)
| 年収 | 扶養の状況 | 手取り目安 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 129万円 | 扶養内 | 約126万円 | 最後の扶養ライン |
| 131万円 | 扶養外 | 約111万円 | 最も「損」なゾーン |
| 150万円 | 扶養外 | 約119〜121万円 | まだ129万円に届かない |
| 160万円 | 扶養外 | 約124〜126万円 | 129万円に並ぶ水準 |
| 180万円 | 扶養外 | 約134〜136万円 | 手取りが着実に増えるゾーン |
引用元:https://www.77bank.co.jp/financial-column/article92.html
社会保険に加入することはデメリットだけではありません。長い目で見ると以下のメリットがあります。
✅ 社会保険加入のメリット(長期的な視点)
- 将来受け取れる老齢年金(厚生年金部分)が増える
- 病気・ケガで働けないときに「傷病手当金(給与の約2/3)」がもらえる
- 出産で仕事を休んだときに「出産手当金」が受け取れる
- 万が一の際の「遺族年金」も増える
- 障害を負った場合の「障害年金」の受給額も手厚くなる
目先の手取りだけでなく、生涯を通じた保障の厚みや将来の年金額も含めて損得を考えることが、長期的に満足度の高い働き方につながります。
企業側としても、フルタイムパートへの転換支援や時給アップを通じて、社会保険加入後も手取りを維持・向上させるサポートをする動きが広がっています。一時的な手取り減を補う施策がある職場かどうかも、転職・就業先を選ぶ際の重要なチェックポイントになっています。
106万円の壁は2026年10月に撤廃される予定

令和7年の年金制度改正法により、社会保険(厚生年金・健康保険)の加入要件の一つである「月額賃金8.8万円以上(年収換算で約106万円)」という賃金要件が廃止される方向で検討が進んでいます。廃止の条件は「全都道府県の最低賃金が1,016円以上になることを見極めた後」とされており、2026年10月をめどに廃止される予定です。
📊 106万円の壁の現在の条件 vs 廃止後の変化
| 項目 | 廃止前(現在) | 廃止後(2026年10月以降) |
|---|---|---|
| 賃金要件 | 月額8.8万円以上(年収約106万円) | 撤廃 |
| 労働時間要件 | 週20時間以上 | 継続 |
| 従業員数要件 | 51人以上 | 段階的に縮小・撤廃予定 |
| 雇用期間要件 | 2ヶ月超の見込み | 継続 |
| 学生除外 | 学生は除外 | 継続 |
引用元:https://www.kantei.go.jp/jp/headline/nennsyuunokabe/index.html
この賃金要件がなくなると、週20時間以上働いている場合は収入の額に関係なく社会保険への加入義務が生じることになります。つまり「月収を8.8万円未満に抑えれば社会保険に入らなくて済む」という就業調整が意味をなさなくなります。
📊 106万円の壁撤廃で何が変わるか(影響まとめ)
| 影響を受ける人 | 変化の内容 |
|---|---|
| 月収7〜8万円で週20時間以上働く人 | これまで対象外だったが、撤廃後は社会保険加入義務が生じる可能性 |
| 月収9万円超で週20時間以上働く人 | 従来から106万の壁対象のため変化なし |
| 従業員数50人以下の職場で働く人 | 企業規模要件も将来的に縮小・撤廃予定のため影響が出る可能性あり |
なお、企業規模要件(現在は51人以上)も段階的に引き下げられ、2035年10月には完全撤廃される見通しです。将来的には規模の小さな職場で働く方も含めて、週20時間以上働けば社会保険に加入する制度へと移行していく方向性が示されています。
この制度変更は働く人だけでなく、中小企業にとっても保険料の折半負担が増えるという意味で大きな影響があります。「今は106万円の壁を意識して抑えているが、2026年以降はどうなるのか」を今から把握しておくことで、働き方の見直しをスムーズに進められます。
配偶者特別控除の仕組みと世帯全体の手取りへの影響

配偶者特別控除は、配偶者の年収が123万円を超えた場合でも、一定範囲内であれば控除が受けられる制度です。かつては「配偶者控除の対象外になった途端に控除がゼロになる」という急落があり、「103万円の壁を少しでも超えたら損する」という意識が根強くありました。現在は段階的に控除が減る仕組みになっており、急な手取り減を防ぐ設計になっています。
令和7年度の改正により、配偶者特別控除が満額(38万円)受けられる年収上限が150万円から160万円に引き上げられました。これにより配偶者が年収160万円以下で働く世帯では、扶養している側の税負担が軽減されます。
📊 配偶者特別控除の控除額と年収の関係(令和7年度改正後・納税者所得900万円以下)
| 配偶者の給与年収(概算) | 控除額 |
|---|---|
| 123万円以下 | 38万円(配偶者控除) |
| 123万超〜160万円以下 | 38万円(特別控除・満額) |
| 160万超〜165万円以下 | 36万円 |
| 165万超〜170万円以下 | 31万円 |
| 170万超〜175万円以下 | 26万円 |
| 175万超〜180万円以下 | 21万円 |
| 180万超〜185万円以下 | 16万円 |
| 185万超〜190万円以下 | 11万円 |
| 190万超〜197万円以下 | 6万円 |
| 197万超〜201.6万円以下 | 3万円 |
| 201.6万円超 | 0円 |
引用元:https://www.yayoi-kk.co.jp/kyuyo/oyakudachi/haigushakojo-nenshu/
世帯全体で考えると、配偶者特別控除の恩恵(年収160万円以下なら38万円)は確実に受けられるため、「配偶者が稼ぐと世帯収入が逆転する」という事態は起きにくくなっています。
📊 世帯単位での損得を考えるときのポイント
| 考慮すべき項目 | 内容 |
|---|---|
| 配偶者特別控除 | 年収160万円以下なら38万円の控除が受けられる |
| 社会保険料の自己負担 | 130万円超で年約18〜25万円の負担が発生 |
| 将来の年金増加 | 厚生年金加入で将来受給額が増える |
| 扶養している側の税負担 | 納税者の年収によって控除額が変わる(900万円超で段階的に減少) |
年収160万円付近で働く場合、配偶者特別控除の38万円が確実に活用できる一方で、社会保険料の自己負担(年約18〜25万円)も発生しています。この差し引きの関係を把握したうえで、世帯全体の可処分所得を計算してから働き方を決めることが重要です。
「結局いくらまで稼ぐのがいいの?」という問いに対する答えは、家庭の状況・育児や介護の負担・将来の年金受給も含めた長期的な視点によって変わります。迷ったときは職場の担当者や税理士・ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することで、自分に最適な答えが見つかりやすくなります。
総括:年収160万 扶養に入れるのまとめ

最後に記事のポイントをまとめます。
- 年収160万円では社会保険の扶養(130万円の壁)を超えているため、自分で社会保険に加入する必要がある
- 税制上の「配偶者控除」(年収123万円以下が対象)には入れないが、「配偶者特別控除」の満額38万円は年収160万円以下であれば適用される
- 所得税の「160万円の壁」(令和7年度改正)は税金の非課税ラインであり、社会保険の扶養条件(130万円)とはまったく別の制度である
- 「扶養に入れるかどうか」は、税制上の扶養・社会保険の扶養・企業の扶養手当の3つが別々の基準を持つため、それぞれ確認が必要である
- 年収130〜150万円台は社会保険料の負担で手取りが急減する「働き損ゾーン」になりやすい
- 扶養内で働き続けたいなら年収130万円未満が目安。ただし106万円の壁の条件も別途確認が必要である
- 扶養を外れるなら年収150〜160万円以上を目指すことで、扶養内(129万円)と同等以上の手取りが見込める
- 106万円の壁の賃金要件(月収8.8万円以上)は2026年10月をめどに撤廃予定のため、週20時間以上働く人は収入額にかかわらず社会保険加入義務が生じる方向に変わる
- 住民税は年収110万円超から課税されており、住民税の改正適用は令和8年度(2026年6月)からである
- 企業の配偶者手当(扶養手当)の基準は税制とは別に設定されているため、職場の人事担当者に個別に確認する必要がある
- 社会保険に加入することで将来の年金額が増え、傷病手当金・出産手当金が受け取れるなどの長期的なメリットもある
- 制度は今後も変わる可能性があるため(2026年以降の106万円の壁撤廃・178万円への引き上げ等)、毎年の税制改正情報や社会保険制度の変更を定期的に確認することが重要である
記事作成にあたり参考にさせて頂いたサイト
- https://www.bk.mufg.jp/column/others/b0083.html
- https://www.kantei.go.jp/jp/headline/nennsyuunokabe/index.html
- https://www.77bank.co.jp/financial-column/article92.html
- https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/02_2.htm
- https://edenred.jp/article/workstyle-reform/206/
- https://www.youtube.com/watch?v=G4CoW8NO9x4
- https://www.jili.or.jp/lifeplan/houseeconomy/9479.html
- https://www.iyobank.co.jp/sp/iyomemo/entry/20240409.html
- https://www.yayoi-kk.co.jp/kyuyo/oyakudachi/haigushakojo-nenshu/
- https://www.finfin.jp/information/income_wall/
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